ギコノマド

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帝国劇場『モーツァルト』

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12月12日のソワレ公演を観てきました。東宝ミュージカル「モーツァルト!」帝国劇場公演です。

 

私にとっては初「モーツァルト!」にして初・帝国劇場です。帝国劇場と日生劇場は私にとってはあこがれの地ですからちょっと感激です。

 

 

 

 

 

 

 

さて、この日のキャストは

ヴォルフガング・モーツァルト

中川 晃教

コンスタンツェ(モーツァルトの妻)

hiro

ナンネール(モーツァルトの姉)

高橋 由美子

ヴァルトシュテッテン男爵夫人

涼風 真世

コロレド大司教

山口 祐一郎

オポルトモーツァルトの父)

市村 正親

セシリア・ウェーバー(コンスタンツェの母)

阿知波 悟美

アルコ伯爵

武岡 淳一

エマヌエル・シカネーダー

吉野 圭吾

です。楽しみなキャストですね。特に私は涼風真世さんがすごく好きなのでわざと涼風さんが出演する日を選んでの観劇です。

 この日の席は1階席Q列23番。少し後ろですがなかなかの上席です。目がよければ役者さんたちの表情も見て取ることができます。私は近眼なので少しつらいですが・・・。音響は・・・確かに博多座の方がいいですね。少し力がない。でもまあ十分ですが。

さて、今回は全くの予備知識なしで観ることにしました。そうはいってもヴォルフガング・モーツァルトの生涯について、未完成の遺作「レクイエム」について、遺骨となった頭蓋骨についてなどの知識はありましたから、なかなか楽しんで観れました。

配役も絶妙だったと思います。特にヴァルトシュテッテン男爵夫人役の涼風真世さんの歌声にはゾクッとさせられました。「M・A」の時とはまた違って、本当に気品にあふれていて、慈しみと厳しさがある歌声です。今回「モーツァルト!」のCDを買って帰りましたが、CDでヴァルトシュテッテン男爵夫人を演じていた久世星佳さんよりもはまり役だと思います。

コロレド大司教役の山口祐一郎さんはやっぱり文句なし、最高ですね。特にあのもだえっぷりは笑わせてもらいました。

今回この作品を観てなるほどねと思わされたのは、未完の遺作「レクイエム」に関してです。「レクイエム」は謎の男に依頼されてモーツァルトが書いたというのは有名な話です。その依頼をしたのは実際には田舎の領主でアマチュア作曲家のコンスタンツェ伯爵であったのですが、当時依頼者が公になっていなかったことに加え、ロレンツォ・ダ・ポンテに宛てたとされる有名な書簡において、彼が死をいかに身近に感じているかを語り、灰色の服を着た使者に催促されて自分自身のためにレクイエムを作曲していると書いていいます。そのため半ばこの話は伝説化していたのですが、その伝説の使者を父親のレオポルトにして、父親と自分のために「レクイエム」を書いていると解釈したのはなかなかおもしろい表現ですね。実際にはモーツァルトの死因は自殺ではなく病死(毒殺説もある)ですが、幼少期に神童と呼ばれた男がいかに苦しんだか、いい表現だったと思います。

本当に楽しめました。終わってからもしばらく曲が頭に残っていました。「自分の影から逃れられるのか~・・・」